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Research

 当研究室では、周期表の元素の種類に関わらず多様な分子の化学を研究対象とし、特に有機金属化学・錯体化学・金属クラスター化学を基盤として「有機合成反応の深化に向けた優れた均一系錯体触媒の開発」に向けた研究に取り組んでいます。具体的には、新しい金属錯体の構造や結合、酸化還元特性、光応答性といった触媒分子そのものの性質の解明、ねらいとする触媒反応の進行に必要となる化学結合の切断・生成反応の進行過程の解明と反応中間体の合成単離、理論化学計算と実験的手法の融合による対象とする有機合成反応のための触媒設計指針の確立、に関する研究を行っています。これらの研究を通じて、構造的に多様な分子の迅速かつ環境調和な有機合成手法の開拓、を目指しています。

 高活性な金属錯体触媒の開発では、しばしば取り扱いが困難で空気や湿気に不安定な有機金属化合物を用いる必要があります。空気中では瞬時に分解する不安定な有機金属化合物であっても自由自在に取り扱うことのできる確かな合成技術を身に付け、様々な研究設備や分析機器を駆使して新たな錯体触媒の合成と分析、触媒反応への応用研究を行っています。

 自発的な知的好奇心を重視しており、4年生の特別研究から、各学生が独自の研究テーマに取り組むようにしています。在学中には自身の研究成果を関連学会で積極的に発表し、様々な研究者とディスカッションを行うことで成長の機会を持ち、さらに機転の利いた議論を展開するための発想力の獲得を促しています。また、他の研究機関や企業との共同研究にも参画することで、自身の研究観の幅を広げ、異分野の研究者とも物怖じすることなく交流する科学コミュニケーション力の育成にも力を入れています。さらに、真に国際性を身に付けるためには、実際に留学することが最も重要であると考えており、特に博士後期課程の学生には一定期間の海外留学を推奨し、研鑽の機会としています。

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【研究課題】

  • 前周期遷移金属や希土類金属の有機金属錯体を触媒とする官能基変換反応の開発

  • 金属錯体の光応答性を活用する官能基変換反応の開発

  • 高反応性の錯体触媒種の発生のための典型元素反応剤の開発

  • 固体触媒の活性点の分子モデルとなる金属クラスター錯体の開発

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